出会いが遅すぎて一度は諦めた…聞けないと思っていたプロポーズ

「運命を感じた」とか「ビビビと来た」という話を聞きますが、彼に初めて会った時、私たちにはお互い結婚を前提で付き合っている人がいました。紹介された時、あまりの衝撃に見つめ合ったまま数秒間動けなくなるほどでしたが、そのため理性でその後はふつうに振る舞いました。

 

きっと見た目がタイプだっただけ、中身は知らないし、と自分に言い聞かせつつ…。

 

でもその後、顔を合わせるのは年に一、二回程度なのにどんどん惹かれ合い、一度だけ二人きりで会いました。ただご飯を食べて海の見える公園を散歩しただけですが、あまりに話や会話のテンポが合うので「きっと子どもの頃に会っても仲良くなっていたね。」と言うと「初恋だったと思う。」と言われドキッとしました。

 

「もっと早く会ってたら口説いてくれた?」と冗談めかして聞いてみると「うん。もう今頃結婚して子どもいたんじゃないかな。」と彼。

 

当時はそれだけで涙が出るほど嬉しくて「じゃあ、生まれ変わったらお嫁さんにしてね。」と私は来世に向けてプロポーズをしたのでした。

 

その後私は苦しくなって、入籍間近だった恋人と別れてしまいました。心の中に別人がいる状態では、とても結婚できないと思ったのです。

 

でも彼のほうは彼女とそのままゴールインするだろうと思い、何も告げずに一年が経った頃。久しぶりに会って話したいと連絡がありました。

 

一年ぶりでも、強烈に惹かれ合う感覚は健在でした。

 

こんなに感性や考え方の重なる人がこの世にいると解っていながら共にいられないのは、あまりにつらい…前回と同じ海の見える公園を歩きながらそんなことを考えていると、彼は立ち止まり真剣な眼差しを向けてきました。

 

「やっぱり来世まで待てない。この人生を、一緒に生きていきたい。」そう言って彼は私を抱き締めました。

 

「プロポーズですか?」と聞くと彼は腕にぎゅっと力を入れ、私はもう死んでもいいと思うほどの幸福を初めて知りました。

 

出会ったタイミングが遅すぎてもうどうしようもない、と思っていましたが、彼も私と同じ時期に彼女と別れていたのです。手放してはいけないものってあるんだなあと思います。