指輪の代わりに航空チケットでプロポーズされました。

私が夫にプロポーズされたのは約5年前のことです。私は大学院に通う1年生でした。その大学院には海外からの留学生が非常に多くいました。もともと留学経験のある私には、多くの留学生と接することができて非常に心地よい空間でした。たくさんの留学生と仲良くなる中で、ドラマにあるような恋愛が私に訪れるとは思ってもいませんでした。

 

私も彼も大学の寮に住んでいました。彼との最初の出会いは、彼が誤って私の部屋に入ってきた時でした。まさか、そのときは彼が将来の夫になるなんて夢にも思いませんでした。最初の出会いから半年ほどは何の接点もありませんでした。

 

思っていたように、ドラマのような恋愛もなく毎日論文の執筆や勉強に明け暮れる毎日でした。彼と再会したのは学校内のサークルの集まりでした。私は友達に誘われてその集まりに参加していました。彼もそこに参加しており、以前彼が私の部屋に間違えて入ってきた時の話で盛り上がりました。

 

それから、他の友人も含めたグループで出かけたり集まることが多くなりました。彼は非常にまじめな人で女性には興味がないようでした。私にもそんな彼は少し面白みに欠けました。時折友達たちが私たちをくっつけようとからかうことはありましたが、私の中で彼は全く対象外でした。友達としては尊敬していましたが恋愛や結婚の対象とは考えていませんでした。

 

彼の卒業が近づいてきた頃、私たち1年生は彼ら卒業生にお礼のメッセージカードなどを渡しました。私も彼に簡単なカードを渡しました。その直後に彼に呼ばれて、彼の気持ちを打ち明けられました。勿論、彼は私の中で対象外だったので困惑しました。彼が好意を抱いてくれたことは嬉しいものの、彼の国はとても遠く私には未知の世界でした。そして彼は1か月もしないうちに卒業して私のもとを去っていくのです。私はそんな気持ちを彼に伝えました。彼は卒業までの1か月だけでも恋人として過ごしたいと言いました。

 

今までより多い時間を共に過ごし、二人きりで過ごす時間も多くなりました。そんな中で、グループの中では気が付かなかった彼の良さや魅力も見えてきて私は彼と離れ離れになることが本当に怖くなりました。

 

卒業を1週間後に控えた日、彼は私を訪ねてきました。そして、いよいよ離れ離れになること今後は遠距離恋愛になるので何も分からないこと、不安なことなどを彼が話し始めました。何だか切なくなって私もこらえていた涙を我慢できなくなりました。そして、彼が私の部屋を去る時、突然プロポーズの瞬間はやってきました。お別れのハグをすると、彼が突然私に紙切れを渡しました。それは彼の国への航空チケットでした。

 

そして彼は「一度僕の祖国に一緒に来て欲しい。そして君が卒業したら一緒に暮らそう。」と言ってくれました。全く予想していなかったことで私は驚きと嬉しさでまた泣いてしまいました。その指輪の代わりにもらった航空チケットで彼の国を訪れた私は、その後1年間遠距離恋愛を続け、1年後の卒業を待って無事にゴールインすることができました。