人類の歩みに触れる事で失恋の悲しみを消化した体験談

失恋時にまずは、重厚で悲しみを含んだ、人類の長い歴史を感じさせる音楽を用意しました。あとは思いつくまま歴史小説を買い込んで、読書開始です。失恋初期に読んでいた大正時代の復刻本などは、現代と違う感覚で読めるので気がまぎれます。長々と文が続くので息切れしそうになりますが、現実の心の痛みよりは苦しくないので大丈夫です。むしろ、本でなぜ修行みたいな感覚を味わっているのだろう、とおかしく感じます。

 

この時、恋愛ものよりも、忍者もののほうがいいですね。現在と生き様、考え方が違うので気分転換になります。次に、日本の城に関する本をひたすら読みました。城は日本人の心の奥底をくすぐる偉大な建築物です。音楽は時代劇調の物を流しました。音楽に浸り写真を眺めながら、石垣を積む人の気持ちになって元彼の嫌いだった点を岩でつぶします。嫌いだった点、好きだった点は紙に書けば気持ちの整理になると聞いたことがあります。

 

なので好きだった点は、仕方ないからお情けで想像上、石仏のように彫ってあげました。そんな事をしながら遺構や城の背景の青空を見つめていると、当時の人も恋愛やら人間関係で苦労したのかもしれないと泣けてきます。いつの時代も、人は己の都合や精神面の不一致で別れるのでしょう。遠い過去に生きた人を思い、今も石垣を積んだ人の子孫が生きていますようにと願いながらすっきりするまで号泣です。

 

遡って、自分の祖先だって恋愛で苦労していたかもしれないし、何回か泣いただろうと勝手に同情します。その果てに自分が生きているのだから、祖先はきっと全員ハッピーエンドであると仮定しました。自分もそうありたいものです。他にも、四面楚歌の語源になった覇王に思いを馳せたり、シルクロードをひたすら歩く気分はどんな感じか考えたりしました。ひょっとするとどこかで自分につながっているかもしれない昔の話は、わざと頭の容量をパンクさせる材料です。尽きないような失恋の悲しみは、歴史の長い歩みの物悲しさと共に味わって癒されました。